革堂行願寺

京都には、西国三十三所第十九番札所の名刹『霊ゆう山(※ゆうは鹿の下に七)行願寺(ぎょうがんじ)』がございます。

行円上人によって寛弘元年(1004年)に開基された天台宗の寺院で、本尊は千手観音。行願寺という名称には『いっさいの人々の成仏を願い行じる』という思いが込められているそうです。

また行願寺は通称、『革堂(こうどう)』とも呼ばれております。

これは、俗人のころ狩猟を業としていた行円上人が、仏門に入った後も生命を尊ぶため常に鹿の皮を身につけていたことから、いつしか、革聖(皮聖)、皮聖人、皮仙などと呼ばれるようになり、寺の名も革堂と呼ばれるようになったとのことです。

古来より日本人の生活には切っても切れない身近な存在であった鹿。

現在では、農作物被害をもたらす厄介者とされている鹿ですが、再び鹿と日本人が共存できる社会を築けたのなら、これほど嬉しいことはございません。

行円上人の想いには至りませんが、私たちもその想いを大切にしていこうと考えております。

京都に越しの際は、ぜひ『行願寺』へも足を運んでみてはいかがでしょうか。

行願寺へのアクセス ※西国三十三所札所会HP内